デコ姫、スーパー〇イヤ人になる
「うぉぉぉぉぉぉぉーーーー!」
「〇リリンの事かーーー!」
と聞こえてきそうなほどの大声がお風呂場に響き渡る。
デコ姫が怒りのパワーで、遂にスーパー〇イヤ人になってしまうのかと思うくらいの大声量だ。
デコ姫(第一子の2歳の娘)と、眠り姫(第二子の0歳の娘)と、ママとパパの生活が始まっている。
食事問題が何とかなった今や、もっぱらのイヤイヤ炸裂は、お風呂と歯磨きだろう。
お風呂は、そもそも入りたがらない問題もあるが、入ってしまえば、お風呂のオモチャで遊んでくれる。
しかし、シャンプーをするときに上記のような大声量を上げるのだ。
というのも、デコ姫は髪を触られるのを極端に嫌がる。
彼女は極度のくせっ毛で寝起きの頭は爆発しているので、毎日、櫛でといているのだが、これがまた大変嫌がる。
くせっ毛なので、毛が絡まって、とくと痛いのが原因なのだろうが、放っておくと、どんどん絡まるので、少しくらい痛い思いをしても最初のうちに解しておくべきなのだ。
ちなみに髪に何かされるのも嫌がるので、髪を束ねたり、アクセサリーを付けることも許してくれない。
せっかく、妻がおめかし用にいろいろと揃えてくれたのに、その全てを無下にしてしまった。
世の小さな女の子が髪をアレンジしたり、アクセサリーを付けているのを見る度に、とても羨ましい気持ちになるのだ。
話を戻して、シャンプー嫌いなデコ姫。
シャンプーをしないわけにはいかないので、必死で我慢するデコ姫だが、気合を入れているのか、近所中に聞こえそうなほどの大声量を上げる。
「えー!びー!しー!でぃー!いー!えふ!じー!!」
なぜか、ABCの歌を、しかも早口で叫ぶ。彼女なりの気合の入れ方なのだろうが、いきなり叫ぶので面白い。
デコ姫の特徴としてデコを挙げたが、声の大きさも特徴の一つだろう。大声姫だ。
児童館などのイベントでは、誰にも負けないくらいの大声で叫ぶ。
そう言えば、デコ姫がもっと小さかった時、年上の男の子がデコ姫を押して倒してしまった時、泣くかと思いきや、大声を上げて相手を威嚇したことがあった。
何とも勝気な性格だ。女の子なのに将来が思いやられる……。
大声のデコ姫だが、小声になるときもある。
外出時や、自信が無い時?なのだろうか、ぼそぼそッと喋る。
しかし、自信があるものに対しては、大声になる。お菓子の棚を指さして。
「アン!パン!マンっ!!」
恥ずかしいから、コンビニやスーパーで響き渡る大声は止めてくれ……。